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TABIMARU.com

世界4周中の情報系旅人が綴る、世界や旅の情報あれこれ〜たまに恋〜

“その時限りの恋人”。そんなんじゃない。だからこそ僕は再びコロンビアへ行く事を決意したんだ。

カフェで偶然出会った女性。

僕の目の前の席に座る彼女。

テーブルに置かれた二つのコーヒー。

離れたくない時間。

ディナーの味を忘れる程の楽しさ。

運ばれてくるビール。

楽しい会話。

歩く歩幅。

涼しいメデジンの夜。

飲みなれたカクテル。

若者が集う公園。

腰掛けた階段。

距離が縮まる僕たち。

繋がる手。

 

 

そして…

 

 

大切なのはまっすぐである事。そしてシンプルな事。

『僕の恋人になってください』

 

そう伝えた僕。

繋がれていた僕らの手は、まだ繋がれたままだ。

彼女はまだ僕の手を握ってくれている。

 

言葉が日本語ではないからこそ、伝えたい言葉はシンプルに。

あなたの事が好きだ。

ここが好きで、ここが好きで、こんな理由で好きだ。

そんな台詞は今の僕に必要はない。

 

メッセージはシンプルに。そしてまっすぐに。

大切な事はまっすぐに目を見る事だ。

彼女が目をそらすかどうかは関係がない。

僕が目を見続けている事が大切なんだ。

だから僕はただ

 

『僕の恋人になってください』

 

そう、彼女の目を見ながら伝えた。

もっとも、僕がスペイン語が流暢に話せれば愛の言葉でも並べれば良いのかもしれない。

きっとこんなにシンプルに告白してくるコロンビア人はいないだろう。

情熱的な彼らの事だから、花束だって持ってきてるかもしれない。

 

けれど、その場に花束なんてない。

あるのはビール。

ビールを渡して愛の言葉を述べるなんてきっとナンセンス。

 

どれほどの時間が流れていったかはわからない。

僕らの手は…まだ握られたままだ。大丈夫。

 

いや、どれほどの時間なんてたっていないのかもしれない。

1秒

2秒

3秒

 

何度もまばたきをした記憶はない。

ずっと彼女の目を見続けていたから。

 

シンプルな言葉で伝えた僕の気持ち。

まっすぐ見続けた彼女の目。

 

最初にはにかんだのは僕だった。

 

なぜか?

 

それは、最初に言葉を放ったのは彼女だったからだ。

 

『Si』

 

 

そんな訳で僕は彼女持ちのバックパッカーになった。

『Si』

と笑顔で彼女が言った。

 

僕だってそれくらいのスペイン語はわかる。

それは告白の返事がオッケーだという事だ。

 

これで僕らは恋人同士。

彼女がいるなんていうのは久しぶりだ。

まさか世界一周中に恋人ができるなんて、しかもそれが美人大国コロンビアでなんて。

 

さらに驚く事にコロンビア人だなんて。

まったく、人生っていうのはわからないものだ。

こういうのがあるから世界一周は面白い。

世界一周に出る事がなければ、出会うことなんてなかっただろう。

日本のほぼ真裏にあたるコロンビア。

コロンビア人が日本へ来るためにはあれだこれだと手続きが必要。

 

きっと、彼女が日本に来ることはなかったかもしれない。

それに、日本にきたところで僕と出会ったかどうかなんてわからない。

いや、おそらく出会うことなんてなかったと思う。

 

けれど、僕らはメデジンで出会った。

それはもう運命としか言いようがない。

前日にクラブで出会った女性とデートに行く約束をしていれば、彼女と出会うことはなかっただろう。

 

ひょっとしたらクラブで出会った女性と付き合っていたかもしれない?

いや、それはきっとないと思う。

そんな予感があったら、僕はあの時その女性をデートに誘っていたから。

あの時誘わなかったのにはきっと意味がある。

そうだ。意味はあった。

今僕の横には僕の新しい彼女がいるんだから。

 

こうして僕は彼女持ちの世界一周バックパッカーになった。

誰もが羨むいわゆるところの“リア充”ってやつだ。

 

 

彼女の突然の提案。それは最初のサプライズだった。

恋人になって最初の朝。

結局ベッドは一つでよかった。

 

宿には朝食がついていた。

僕らは朝食を食べ、コーヒーを飲んだ。

 

僕は自分が泊まっていた宿をチェックアウトしなければならない。

携帯電話の電源はもうなくなっていた。

何時がチェックアウトだったか忘れてしまっていた。

 

『ホステルの名前わかる?私が電話して聞いてあげるよ』

 

そう彼女が言ってくれた。

宿の名前を伝え、彼女が電話番号を調べてくれた。

チェックアウトは11時らしい。

まだ9時。

ここから歩いて15分程の場所に宿はある。

まだ大丈夫だ。

 

けれど、これで宿に帰ってしまえば、僕はバスターミナルへむかうだけになる。

恋人ができたことはとても嬉しいけれど、これでお別れすることになる。

 

“その時限りの恋人”

 

そんな風に思われるかもしれないけれど、僕も彼女もそんな気持ちはまったくなかった。

僕はまたコロンビアに戻ってくるつもりだ。

ひょっとしたらコロンビアで働くという選択だって僕はするかもしれない。

コロンビアは比較的英語も通じる国だし、今から頑張ればスペイン語も習得できる。

 

一夜を一緒に過ごしたいからというそんな軽薄な気持ちで恋人になった訳じゃない。

そんな気持ちなら告白なんてしなかったし、彼女もその告白を受けたりしなかっただろう。

 

『ねぇ。私今日から休みなの覚えてる?』

 

『あ、そうだったね。休みって言ってた』

 

『一緒にボゴタ行っていい?』

 

彼女がとんでもない事を言い出した。

そりゃ僕はもちろん構わないけれど、彼女はそれでもいいのか。

 

『もちろん。一緒に来てもらえるなら僕も嬉しいよ』

 

僕はそう答えた。

断る理由なんてない。

僕にとってそれ以上に嬉しい事なんてないんだから。

 

彼女が僕にしてくれた最初のサプライズ。

そのサプライズは僕にとって最高のサプライズ。

 

 

恋人と過ごす数日。それはそれは最高の思い出と言ってもいいだろう。

メデジンから夜行バスに乗ってボゴタへ。

いつもは隣の席に知らない誰かが乗るけれど、この日は知らない誰かではなかった。

できれば二つ使いたいとも思うバスの席だけれど、この時ばかりはそんな風には思わなかった。

バスの隣に誰かがいるという事が嬉しいなんて。

 

ボゴタで特に何かをしたいわけではなかった。

もともと一人で観光をしたいという気持ちもそこまでなかった。

彼女が一緒についてきてくれた今、それこそ観光なんて僕にとってはどうでもいい事だった。

 

彼女がどこに行きたいかどうか。

まぁ、ボゴタに来たことがあると言っていたし、特に行きたいと思うところはないかもしれない。

けれど、それでも僕についてきてくれた。

純粋に僕と一緒にいたいと思ってくれたという事なんだろう。

 

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ボテロ美術館や広場。

 

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高台から美しい景色も見た。

一人じゃなく、誰かと一緒にこの景色を観れる事。

しかもそれが恋人である事。

そんな最高で贅沢な時間はない。

 

旅中にこんな風に思えるなんて想像もしていなかった。

手をつないで景色を見る。

それがどれだけ嬉しい事なのかというのがわかった気がする。

 

そうやって、僕らが一緒に過ごす時間はどんどん過ぎていった。

恋人と過ごした数日。

それは最高の思い出の日々だったと言える。

 

 

不安はある。けれど不安だけしかないわけじゃない。

パナマへ出発の日。

空港まで彼女は見送りに来てくれた。

別れの日は笑顔で。

僕らはそう決めていた。

 

涙での別れは得意じゃない。

それに、これが最後なんかじゃないから。

僕らはまた出会う。

その場所はきっとコロンビア。メデジンだ。

僕が旅を続けているか、それとも旅を終えコロンビアにだけ来るか。

それはまだわからないけれど、僕はまたコロンビアに来るとその時決めていた。

 

そして彼女はそれを待ってくれるだろう。

たった数日しか一緒に過ごす事はできなかったけれど、それでも僕らは楽しく過ごしていた。

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ボゴタを離れ僕はパナマへ出発する。

世界一周の再開。

一人旅再び。

 

離れ離れになる時間。

それはどれだけ長いものなのかまだわからない。

僕が彼女をずっと好きでい続けられるかどうか。

彼女が僕をずっと好きでい続けられるかどうか。

それも今の所わからないし、それが永遠だという確信も今はない。

 

不安な気持ちはもちろんある。

彼女はそれだけ魅力的な女性だし、きっと他に彼氏ができたとしてもおかしくはない。

 

僕も旅中何度か恋をしているし、この先訪れる国で好きになる人が絶対にできないというのを言い切れそうもない。

 

けれど、この時僕の心を埋め尽くしていたのは、彼女の事ばかりだった。

もう一度必ずコロンビアにくる。

そして、彼女と一緒に過ごす。

 

僕の心のなかに強くあったのはそんな気持ちだ。

 

 

『じゃあ、行ってくるね』

 

『うん。気をつけて』

 

『またコロンビアに必ずくるから』

 

『わかってる。知ってる。きっとまたメデジンで会える事を』

 

僕は待ってて欲しいなんて言わない。

もちろん気持ち的には待ってて欲しいという気持ちはある。

僕の恋人なんだから。

 

けれど、それはあまりにも無責任すぎる。

だって、僕は自分の意思で彼女と一緒にコロンビアで過ごす事よりも、旅をする事を優先したんだから。

 

不安はある。けれど不安だけしかないわけじゃない。

僕にはやりたい事がある。

それをやりきらずに途中でやめる事を今僕は選びたくない。

 

この数日。

たくさんの選択をしてきた。

そして僕はその選択を間違えずにここまできた。

 

僕はコロンビアにまたくる。

僕はもうコロンビアにこない。

 

その選択を決断するのはまだ先でいいのかもしれない。

けれど、僕はこの時に決断した。

 

僕は必ずまたコロンビアにくる。

彼女に会うために。

そう僕は決めた。

 

 

その決断をして1年後。

僕は再びコロンビアへ行く事になった。

 

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