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世界4周中の情報系旅人が綴る、世界や旅の情報あれこれ〜たまに恋〜

選択肢はまだあるだろう?だって僕らは大人の男女なんだから。

宿にいたアレックス達と四人でメデジンにあるクラブへ行った僕ら。

クラブには多くの若者がいて、みんなとても楽しそうにしていた。

 

多国籍な僕らのテーブルには多くの人が集まってきていた。

そしてそこで交わされる男女の何某。

 

誘うもの

誘われるもの

断るもの

断られるもの

 

そこには様々な人がいた。

 

僕は一人の日本に興味がある女性と知り合った。

けれど、僕はその女性の誘いを“断る”形になってしまった。

 

なぜ、僕の心がそうさせたのかはわからない。

けれど、一つだけ言えるのは、そうさせたのは僕の心ではなく、僕の運命だったんだろうと思う。

 

運命のコーヒーを召し上がれ。

翌日、僕は朝から観光にでかけた。

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メデジンを訪れたら必ず訪れようと思っていた場所。グアタペ。

カラフルな壁は伝統的なものとかそういうものではなく、町おこしの為なんだとか。

 

町おこしの為に町中のあらゆる家という家の壁をカラフルにした街。

その結果

 

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少しばかりやりすぎちゃった感が出てきた。

けれど、それもこの街の特徴。

それを目当てに多くの観光客がやってくるようになり、今ではメデジンからの日帰り観光地としてとても有名になっている。

 

メデジンに戻ってから僕は宿に戻る前に一軒のカフェによった。

メデジンには多くのカフェがあり、世界的に有名なカフェもあるそう。

僕は有名なカフェに行くつもりではなかったので、とりあえず目に入ったおしゃれなカフェに立ち寄る事にした。

 

店内はとてもシンプルで、人はあまり多くない。

本を読んでいる人。

キーボードを叩く人。

会話を楽しむカップル。

ただ静かにコーヒーを飲む人。

 

店内にwi-fiもある。

スマホでネットサーフィンをしながらコロンビア名産のコーヒーでも飲もう。

僕はコーヒーを注文した。

ミルクや砂糖はいれなくていい。

苦いコーヒーが好きだから。

コーヒーは苦いものであるべきとすら思っているくらい。

 

料金を支払いテーブルで待つ。

 

そこにコーヒーが運ばれてきた。

運んできてくれたのは一人のコロンビア人女性。

 

その時僕は彼女の顔を見て、お礼を一言だけ伝えた。

 

『gracias(ありがとう)』

 

その女性はとても可愛い方だった。

年齢は多分20代前半くらいかもしれない。

学生なのかな。アルバイトをしてるのかな。

そんな風に考えはじめていた。

 

スマホを見ながらそんな事を考えている。

 

僕に女性のタイプがあるのかどうかと聞かれると、正直わからない。

けれど、

 

『De nada (どういたしまして)』

 

と言った笑顔がとても印象的なその女性にはとても惹かれていた。

 

 

これがナンパだ。そう僕は軟派な男でいい。

僕はずっとその女性に声をかけるか悩んでいた。

とはいっても、僕がメデジンにいるのは明日の夜まで。

デートに誘えるとしても、今日だけだ。

 

旅の恥はかきすて。

 

そんな風な言葉を耳にするけれど、僕は旅で起こった何かを恥じるつもりはない。

素敵な人がいれば声をかければいいし、そこで断られたところでそんなのは恥でもなんでもない。

声をかければ何かがはじまるかもしれないし、声をかけなければ何もはじまらない。

 

パソコンに電源を入れるか入れないか。

それと大差のない出来事なんだと僕は考えている。

 

その女性はカウンター付近に立っていた。

客は僕以降そこまで入ってきていない。

夕食時なのだろうか。

あまりカフェに来る客はいないのかもしれない。

 

僕はカウンターに行き、彼女に声をかけることにした。

 

『すいません。コーヒーをもう一つ。それと、仕事は何時に終わりますか』

 

これくらいのスペイン語なら話すことができる。

問題は彼女がそれに一度で反応してくれるかどうか。

下手くそなスペイン語ながらせっかく声をかけたんだ。

聞きかえされるのはちょっとばかりかっこ悪い気がする。

 

『コーヒーは砂糖もミルクもいれなくていいんですよね。』

 

『はい。砂糖もミルクもいりません』

 

『わかりました』

 

そう言って彼女はコーヒーをオーダーしに行った。

 

僕の軟派は失敗したのか。それともスペイン語がダメだったのか。

まぁ、仕方ない。

とりあえず、聞き返されなかったという事は通じていたんだろう。

その上で、彼女は僕に“返事をしない”という選択をしたんだと思う。

 

それが正解だ。

断るのにも気をつかうはずだから。

そう、断られる側は断られて当たり前ぐらいの気持ちで声をかける。

けれど、声をかけられる側は唐突にその瞬間で判断を迫られる。

 

気持ちの持ち方がまったく異なる。

その中で彼女は最良の返事をしたんだと思う。

 

僕の話したスペイン語が伝わらなかったという事にして。

 

『コーヒーです』

 

そこには二つのコーヒーが置かれた。

 

 

コロンビア人はお酒が強いよ。そんな風に彼女が言った。

僕の前に置かれた二つのコーヒーカップ。

僕が注文したのは一つだけだ。

 

僕の前に彼女が座った。

『仕事は30分前に終わっています。いつ帰ろうか考えていたんです』

そう彼女は言った。

 

『そうだったんですね。まだ帰らなくていいの?』

 

『うん。まだ帰らなくてもいい。一緒にコーヒーを飲んでもいい?』

 

『もちろん。ありがとう』

 

思いもがけない結果が僕の目の前にあった。

僕のスペイン語が通じていたかどうか、それはわからない。

僕が声をかけたからここに座ってくれたのか、それとも僕が声をかけなくても彼女はここに座りに来てくれていたのか。

 

そんなのはどうでもよかった。

彼女が目の前に座ってコーヒーを飲んでいる。

そして一緒に話しているのは僕だ。

それだけがここにある正解だから。

 

僕たちは色々な会話をした。

彼女は22歳の学生だった。

専攻しているのはマーケティング。

英語も堪能で、将来は海外で仕事をしたいと言っていた。

 

僕がスペイン語を話すよりも、英語で会話をする方がずっと話が通じる。

そのため、僕らの会話は英語だった。

 

日本人に会ったのは初めてだったそう。

そして、もちろん日本人から声をかけられた事もはじめてだ。

 

コーヒーは1時間ほどでなくなり、僕らには次の選択肢が用意された。

食事へ行く。

それとも帰る。

 

ここで食事に誘わない理由はどこにもない。

僕は彼女ともっと話をしたいと思っていたし、彼女もきっと僕と話をする事をたのしんでくれているようだったから。

 

『お酒を飲むのは好き?どこかで食事をしませんか?』

 

『コロンビア人はお酒が強いよ。コロンビア料理は好き?』

 

『コロンビア料理、実はまだ一つしか食べてないから、他のコロンビア料理も食べてみたいって思ってたよ。それと、僕もお酒強いよ。』

 

そう言って僕らはカフェを後にした。

 

 

ディナーの味は覚えていない。大切なのはシチュエーションだ。

カフェを後にした僕ら。

二人で暗くなってきているメデジンの街を歩く。

食事をする場所は特に決めていない。

どこが美味しいのかなんて僕には見当もついていない。

 

けれど、スタスタと歩く彼女。

僕は彼女の左側に並び、一緒に歩く。

左に曲がる時に僕の方をみて目配せをしてくれるのが少し嬉しかったりもする。

 

きっと彼女にはアテがあるんだろう。

お酒が飲めて、コロンビア料理が食べれる店。

それがどれだけ高級なレストランでも構わないと思っていた。

ホテルに入っているような一流のレストランであったとしても。

少しだけ気になるのは、僕の今の服装はドレスコード的にはきっとアウトだろうなという事だった。

 

けれど、僕らがたどり着いたのは高級そうなレストランではなかった。

いかにも庶民的な食堂のような感じの場所。

 

天井にとりつけられた扇風機がまわる。

赤いテーブルと丸椅子。

壁にかかれたメニュー。

 

『何が食べたい?』

 

『あなたがおすすめのコロンビア料理ならなんでもいいよ』

 

そう伝えると彼女は店員を呼び料理をオーダーしてくれた。

 

運ばれてきた料理はお米とお肉、それにあげたバナナがのっているプレート。

そして冷えたビールが一本と二つのグラス。

 

『コロンビアでチアーズはなんていうか知ってる?』

 

『うん。知ってるよ』

もちろん知ってる。

何度も南米の旅中に色んな旅人と交わしてきた言葉。

 

“Hola”や“gracias”よりもひょっとしたら多く使っているかもしれない。

 

 

 

『salud! (乾杯)』

 

僕らは食事をしながらまた話をした。

最初に頼んだビールはすぐになくなり、次のビールをオーダー。

そしてまた次のビールをオーダー。

 

彼女が言っていた“お酒が強い”というのはどうやら本当らしい。

 

食事の味は覚えてはいない。

きっと美味しかったんだとは思うけれど、それも確かではない。

その時僕にとって大切なのは、その食事が美味しいかどうかという事ではなく、彼女が僕と一緒にいて楽しんでくれているかどうかという事だったから。

 

そしてどうやらその大切な事は成就されているようだった。

 

そして僕らには再び選択肢が現れる。

次の店に行くか

それとも帰るか

 

いや、きっと選択肢はまだある。

まだまだあるだろう。

だって僕らはもう大人なんだから。

 

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